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わんちゃんの行動学

わんちゃんの行動学 第5回

犬のしつけ都市伝説
犬が言うことを聞かないのは飼い主を下に見てるから!?

イメージ写真1  犬が飼い主の言うことを聞いてくれないのは、飼い主と犬の上下関係の崩れが原因と考えられてきましたが、現在では「人と犬の関係=上下関係」という考えた方自体が見直されるようになってきました。それでは、なぜ犬は飼い主の言うことを聞いてくれないのでしょうか?

犬が「義務感」の意識を持つことは難しい

イメージ写真2   人をはじめ、動物の脳はその部位によって司る機能が異なります。「道徳心」や「倫理観」、「義務感」また、「本能的欲求」や「情動」をコントロールする機能は、前頭葉が司っていますが、犬はあまりこの部分が発達していません。そのため、欲求や感情を抑え義務感をもって行動することは犬にとって非常に難しいことなのです。

犬は「恐怖」や「不安」から逃れようとする

イメージ写真3   上下関係を築くために行われてきたしつけ方法では、主に力や体罰によって犬を制圧し、コントロールする方法が用いられてきました。しかし、力や体罰によって言うことを聞いているのは、ただ単に犬が恐怖のあまり委縮し、抵抗できなくなったためです。また、飼い主が意図的に犬を制圧しようと考えていなくても、怒った口調で指示したり、無理やり何かをさせようとすれば犬は飼い主にたいして「恐怖」や「不安」を感じてしまうこともあります。

飼い主に期待感を持ってもらう

イメージ写真4   人をはじめとした動物の脳では、その個体にとって好ましい刺激(好気刺激)を受ければ脳内の報酬系神経回路が働きます。報酬系神経回路が働くと、脳の中ではドーパミンなどといった快楽物質の分泌が促され、意欲が向上し脳を活性化させます。さらに、犬の報酬系神経回路は脳全体の80%以上であることから、犬は褒めることを中心にしつけた方が効果的です。そのため、犬が飼い主の言うことを聞いたときに適切に褒めてあげれば、犬は飼い主に対する期待感が増し、意欲的に言うことを聞いてくれるようになるのです。
飼い主が上下関係ばかりを求め、力や体罰によって犬を制圧しようとすれば、
犬は忠誠心を示すどころか、飼い主の言うことを聞いてはくれません。
飼い主が犬という動物をしっかりと理解し、犬の求めることを適切に提供してあげることで、
犬は飼い主に対する期待感が高まり、お互いの絆が深まります。
スタディ・ドッグ・スクール

スタディ・ドッグ・スクール

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営業時間:9時~18時
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鹿野正顕(学術博士)

鹿   まさあき(学術博士)

スタディ・ドッグ・スクール代表 株式会社Animal Life Solutions(ALS)代表取締役社長
日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事・事業企画委員
動物介在教育療法学会(ASAET)理事 世界最大家庭犬トレーナー資格 CPDT-KA

麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家の育成・普及を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立し、飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、トレーナーとしても指導に携わっている。

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