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わんちゃんの行動学

わんちゃんの行動学 第4回

犬を仰向けにして服従させないといけないの?

イメージ写真1   飼い主と犬の上下関係をはっきりとさせるために、犬に仰向けの状態でお腹をださせ力で押さえつけたり(アルファロールオーバー)、犬のマズル(鼻先)を力でつかんだりする(マズルコントロール)ことで、服従的な立場を認識させることが必要だといわれてきました。しかし、これらの方法で犬を服従させることが、しつけや問題行動の改善をする上で本当に重要なことなのでしょうか?

服従は恐怖心によって委縮しているだけ

イメージ写真2  アルファロールオーバーやマズルコントロールによって犬が飼い主の言うことを聞くのは、飼い主に対して犬が恐怖を感じ、委縮して何もできなくなるだけだからです。犬は、基本的に自分の意志に反してお腹や口周りを触られることがあまり好きではないため、その嫌な部分を飼い主が力で押さえつけることで犬に恐怖心を与え、委縮させることで犬に言うことをきかせているのが、アルファロールオーバーやマズルコントロールを用いた犬のしつけや問題行動の改善方法の原理となります。
 しかし、犬は恐怖心を感じた際、吠えたり咬みついたりといった攻撃行動を示すことで、その状況から自分の身を守ろうとします。それは飼い主に対してでも例外ではなく、アルファロールオーバーやマズルコントロールを行うことで、飼い主を恐怖の対象とみなしてしまえば、飼い主に対して威嚇したり攻撃を示したり問題行動に発展する可能性があります。
 動物病院の診察やトリミングの際に、一見おとなしくお利口にしていても、実は診察やトリミングに対して極度の恐怖を感じ、硬直して動けなくなっているだけの場合も多く見受けられます。

そもそも飼い主が犬とどのような関係を築きたいのか?

イメージ写真3  もちろん、人が犬のお腹やマズルを触ることは、診察やトリミング、日頃の健康管理などで必要になってきます。しかし前述したように、犬はそもそもお腹やマズルを自分の意志に反して触られることがあまり好きではないので、子犬の頃から犬が恐怖心を与えないように、触られることと大好きなご褒美を結び付けて慣らせてあげれば、犬は安心して飼い主を受け入れてくれるようになります。
 犬は安心して暮らせるための養育を飼い主に求めています。家族の一員として犬を迎え入れたのであれば、飼い主の一方的気持ちを無理強いし、威圧的な存在となって言うことをきかせるのではなく、犬の気持ちを察することで安心感を与え、信頼できる存在になることで犬が自発的に受け入れてくれる関係を目指すべきではないでしょうか?
スタディ・ドッグ・スクール

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鹿野正顕(学術博士)

鹿   まさあき(学術博士)

スタディ・ドッグ・スクール代表 株式会社Animal Life Solutions(ALS)代表取締役社長
日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事・事業企画委員
動物介在教育療法学会(ASAET)理事 世界最大家庭犬トレーナー資格 CPDT-KA

麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家の育成・普及を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立し、飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、トレーナーとしても指導に携わっている。

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