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わんちゃんの行動学

わんちゃんの行動学 第10回

愛犬との絆を結ぶためのハウスのしつけ方
~ハウスの選び方と設置の仕方~

 囲われたタイプのハウス(クレート)を寝床として教えるしつけ方を、「クレートトレーニング」といいます。犬は静かで薄暗い巣穴のような場所を寝床として好む習性があるため、クレートを使用すると、犬にとって快適で安心できる寝床を提供することが出来ます。
 また、子犬の頃からクレートに慣らしておくことは、犬と生活する上で非常に多くのメリットがあり様々な問題行動の予防にもつながるため、クレートトレーニングは人と犬との共生において重要なトレーニングの一つです。特に、災害時での犬との同行避難を想定した場合、避難所ではクレートでの生活が必要不可欠となるため、防災対策としても日頃からクレートに慣れさせておくとよいでしょう!

適切なサイズのクレートを用意する

イメージ写真2  使用するクレートのサイズは、犬がその中で体の向きを変えられ、立つ、座るなどの動作ができる広さが好ましいです。成犬になった時の大きさを考慮し、体高+5cm程度の高さに合わせて購入すれば十分な広さが確保できます。また、ダックスやコーギーなど胴が長い犬種に関しては、成犬時の体長+5cm程度の奥行きが確保できるように選ぶと良いでしょう。

クレートの環境と設置場所

イメージ写真3  トイレのしつけでも紹介しましたが、就寝時や外出時など飼い主さんの目が行き届かない時にはクレートとトイレをサークルで囲った場所に子犬を入れるようにします。その際、クレートの扉は外し、冬場であればクレートの中に毛布などを入れ暖かくしてあげれば、クレートの中の居心地がよくなります。また、夏場では風通しがよく直射日光の当たらない涼しい場所に設置し、暑さ対策用の冷却プレートやマットなどの利用も効果的です。
 一般的に、犬は飼い主が見える場所で休息行動をとることを好みます。特に飼い主のもとに来たばかりの子犬は、誰もいない部屋などでひとりぼっちにすると不安を感じてしまうため、家族がよくいるリビングなどの部屋にサークルで囲われたクレートとトイレを設置し、就寝時には飼い主の寝室にこれら一式を移動したほうが子犬は安心して休息することが出来ます。また、子犬が落ち着いて休息できるように、ドアや廊下など家族が頻繁に出入りするような場所の設置は避けた方が良いでしょう。
 犬は聴覚や嗅覚などの感覚が優れています。そのため、外が見える窓際や玄関先など屋内と屋外の境界近くにクレートを設置すると、犬の縄張り意識が高まってしまい過度な吠えなどに発展することがあるので、境界からは離れた場所にクレートを設置しましょう。
スタディ・ドッグ・スクール

スタディ・ドッグ・スクール

〒252-0215
相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ 1F
TEL:042-712-9148
営業時間:9時~18時
定休日:年末年始、お盆期間
鹿野正顕(学術博士)

鹿   まさあき(学術博士)

スタディ・ドッグ・スクール代表 株式会社Animal Life Solutions(ALS)代表取締役社長
日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事・事業企画委員
動物介在教育療法学会(ASAET)理事 世界最大家庭犬トレーナー資格 CPDT-KA

麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家の育成・普及を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立し、飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、トレーナーとしても指導に携わっている。

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